第1回親子で取り組む森と水の再生ワークショップ
水と空気の循環を取り戻す大地の再生講座を行っている、矢野智徳さんをお招きして、ワークショップを行いました。
プレーパーク「どろんこの国」で20年以上お世話になっている林ですが、地面が踏み固められ息苦しそうな様子で、突然立ち枯れたり、台風で巨木が倒れたりしていて、瀕死の状態です。なんとか息を吹き返して、末永く子どもたちが遊び育つ環境を保ってほしくて、この講座を企画しました。
当日は、大人・子ども合わせて60名超のたくさんの参加をいただき、猛暑の中どうなることかと思いましたが、矢野さんのお話の魅力と、作業の楽しさであっという間の一日でした。
心残りは、「親子で取り組む」と講座名をうたっておきながら、なかなか子どもたちと一緒に作業をする時間を作れなかったところです。現場の見立て(現状どのような状態で、どのような施工をしていくのがよいかを見立てる)の講座でしたので、作業は少なめになってしまうところと、私たちスタッフの声掛けや巻き込みも足りなかったかと猛省しています。
とはいえ、プレーパークは子どもが自由に遊ぶ場所なので、子どもたちは遊びたければ遊ぶ、作業をしたければ作業をする。大人が作業しているのを横目で見るだけでも、将来「大人たちがあんなことしてたなー」「あれが、この森を守ることだったのかなー」と記憶に残っていることが大事と思っているので、次回も子ども大歓迎の企画にしたいと思っています。
小さな穴から大地の中の呼吸が動く
空気にも重さ(気圧)があって、木の根っこのそばに小さなシャベルで穴を開けるだけでも、そこに空気の圧がかかって、大地の中の空気を押し出す作用が生まれる。矢野さんのお話の中では、このような普段気づかないし考えもしないことだけど、説明されると理屈がわかり「なるほどー」と思わされることが詰まっています。小さな移植ゴテで小さな穴を開けていく作業は、果てしないし地味だし、これで何かが変わるの?とついつい思ってしまうけれど、理を説かれると「たしかにー」と納得できます。
この日は、ほんの20~30分ですが、たくさんの人がたくさんの溝を掘り、穴を開けてくださいました。きっと、土の中で空気も水も動いていくことでしょう。
風の草刈
雑草や藪を刈るときは、根本から刈るのではなく、風が通り過ぎるように、風になびくところで刈る「風の草刈」。
根本から刈られると、草は生命の危機を感じて太い根を荒々しく張るようになるけれど、風の草刈をしていると草は表面に近いところに、細かいやわらかい根を張るようになり、土がやわらかくなるそうです。土がやわらかくなると、生えてくる雑草や藪の植物の種類も変わってくるとか。
こちらも、ほんの20~30分、みんなで鎌を振り回して藪を手入れすると、すーっと気持ちのよい風が通るように。
午前中は暑くて仕方のなかった田んぼの方も、風がよく通って日差しは変わらないけれど過ごしやすくなって。
ほんとに魔法のような体験でした。
次回は、10月~11月の秋の講座を検討しています。詳細決まったら、お知らせします!